クルマのエアコンから発生する不快なニオイの原因は、エアコン内部の”エバポレーター”と呼ばれる部分に付着したカビなどですが、クルマの場合は家庭用エアコンのようにカバーを外して簡単に掃除することが出来ないようです。
エバポレーターを取り出すにはかなり大掛かりな作業が必要になり、家庭用エアコンのように定期的に洗浄というわけにはいかないようです。
車検や点検などのとき”クイックエバポレーター洗浄”を勧められたことは無いでしょうか?
初回車検時にディーラーにお願いして施工してもらいましたが、自分でもできそうなので今回(前回から約1年後)自分でやってみました。
使用したのは”クイックエバポレータークリーナーⅤ(ドライブジョイ)”です。購入はネット通販などで可能ですが、本来は 業務用 となっていますので施工される場合は自己責任でお願いします。
セット内容は、スプレー缶、ノズル(約80cm)、取扱説明書、防臭剤容器、防臭剤、ノズルホルダーです(下の写真参照)。ノズルはスプレー缶上部に巻いた状態で入っています。
施工手順(パッソ M700系の場合)
製品に取扱説明書が同梱されていますので、それに基づいて進めていきます。
①スプレー缶(NET 60㎖)をセットする
・エアコンフィルターを外すためにグローブボックスを外す。
・フィルターカバーを外し、エアコンフィルターを引き出し取り出す。
*エアコンフィルターの取り外し方は下の記事で紹介していますので参考にしてください。
・クルマのすべての窓とドアを開ける。
・製品に付属のノズルをスプレー缶に差し込む。
・ノズルホルダーの穴にノズル先端部を差し込み、固定する(ホルダーからノズル先端までの長さはブロアファンとの距離を見ながら決めます)。
・ノズルホルダーの両面テープを剥がし、ブロアファンの中心にノズル向けて貼り付ける(ノズルがブロアファンに当たらないこと)。
*ノズルホルダーの貼り付け位置が取説の図と違いますが、このクルマの場合この位置が貼り付けやすいと思います(2枚下の写真)。
これでスプレー缶のセット完了です。
②薬剤の噴射
・エアコンの設定を次のようにする
吹き出し口:上半身 温度:Low 風量:最大 内気循環:ON A/Cスイッチ:OFF
注意:必ずAUTOエアコンはOFFで行うこと。すべてのエアコン吹き出し口を全開にすること。
・容器を垂直(必ず垂直)にした状態で噴射ボタンを押し込み、連続噴射状態にして薬剤を噴射する(約3分間そのまま)。
・全量噴射されたことを確認しノズルホルダーを剥がし、ノズル、ノズルホルダー、スプレー缶を車外に出す。
③エバポレーター洗浄
エアコンの設定はそのままでA/CイッチをONにし、5分間エアコンを稼働させる(このとき洗浄され、車体下に汚れた結露水がポタポタ落ちます)。
エンジンを停止し、エアコンフィルター、フィルターカバーを元に戻します。
製品に付属の防臭剤を防臭剤容器に入れ、グローブボックスの裏などに貼り付けグローブボックスを元に戻します。
必要に応じ施工済みシール(施行日、次回日記入)を貼ります。
以上で施工完了です。
おわりに
実際のところ、どの程度エバポレーターが洗浄されたのかは目視できないためわかりません。
また、車体下に落ちていた結露水がどの程度汚れていたのかもわかりませんが、施工自体は問題なくできたと思います。
エアコンの洗浄といえばモコモコの泡を想像しますが、このクリーナーは透明の液体です。スプレー缶の内容量も60㎖と少ないので何となく大丈夫かなと思ってしまいますが、それなりにキレイになっていることでしょう。
エアコンフィルターの交換や何かしらの理由でグローブボックスを取り外したことがある方は、スムーズに作業できると思います。
自分自身初めてだったので薬剤の液だれに備え、念のためブロアファン等を覆っている白いカバーの下にウエスを敷いておきましたが垂れてはいませんでした。
自分でやるメリットしては、施工代金が安く出来ることと、予約なしで自分の都合の良いときにできることだと思います。
施工される場合は、取説を十分確認してから行ってください。