自分でクルマのタイヤ交換するときの必需品”スピンナーハンドル”と”トルクレンチ”の使い方

初めて自分で車のタイヤ交換(夏タイヤ→冬タイヤ及びその逆)をしたとき、クルマに装備されている純正工具(ジャッキ、ジャッキハンドル、ホイールナットレンチ)を使用していました。

ど素人なので何もわからなく、ホイールナットレンチを足で勢いよく踏みつけてナットを外したり、力いっぱいナットを締め付けて取り付けたり、今から思えばひどいやり方をしていました。

特にホイールナットレンチが使いにくく、ナットを緩めるにしても、締め付けるにしても力が入らなくて苦労しました。

何年か純正工具でのタイヤ交換を続けていましたが、そのうちクロスレンチというものを知りずいぶん楽にできるようになりました。

しかし、クルマを買い替えたときホイールをアルミホイールにしたらこのクロスレンチが使えませんでした。

使えない理由は、アルミホイールのナットが入る部分の径が小さく、クロスレンチや純正のレンチでは肉厚が厚いため完全に入らずレンチの掛かりが浅かったためです(このアルミホイールのナットはスチールホイールと共用でした)。

純正工具とトルクレンチのソケットの径の比較
左:純正レンチ 右:トルクレンチに付属のソケット
純正レンチでは径が大きいためアルミホイールのナット部に入らないイラスト
純正レンチでは入らなかった

そこでいろいろ調べていくうちに、トルクレンチで締めなければならないということを知り、アルミホイール用ソケット付きのトルクレンチを購入することにしました。

購入したトルクレンチは分類でいうと、”シグナル式の単能型”です。

トルクレンチ外観
シグナル式単能型トルクレンチ(103N・m)

トルクレンチを大別すると”シグナル式”と”直読式”の2種類があり、さらにいくつかの種類に分類されます。

”シグナル式”は「カチッ」という音と、軽い振動により設定トルクに達したことを知らせてくれ、”直読式”は液晶画面や目盛などから数値を読み取りトルクを確認するタイプです。

”シグナル式”にはプレセット型、単能型、外付け型があり以下の様な特徴があります。

  • プレセット型 トルクレンチのグリップを回して設定トルクに数値を合わせて使うタイプ
  • 単能型 あらかじめトルクが設定されたタイプ(設定変更はできない)
  • 外付け型 ハンドルとソケットの間に取り付け、液晶画面でトルクを確認して使うタイプ

トルクレンチのお陰で、かなりスムーズにタイヤ交換をすることが出来るようになりましたが、あらためてトルクレンチについて調べてみると、自分では正しくトルクレンチを使っているつもりでも間違いだらけだったことに気付きました。

ここでは一般的に言われている正しい使い方を紹介したいと思いますので、ご参考にしていただけたら幸いです。

*トルクレンチは作業工具ではなく、精密機器と捉えるべきものの様です。

タイヤ交換する前に

タイヤ交換する前に安全のため次の事を実施してください。

・地面が平らでアスファルトやコンクリートが敷かれている場所で行う

・パーキングブレーキをしっかりかける

・シフトレバーを”P”に入れる(マニュアル車の場合は”1速”に入れる)

・交換するタイヤの対角側のタイヤに輪止めをする

輪止めをした状態
輪止め

ホイールナットを緩めるとき

手順1

ホイールナットを緩めるとき、最初からトルクレンチを使うのはNGです(自分はこれをやっていました…)。

トルクレンチはレバーの切り替えで右回り、左回りに変更できますが、これはナットを緩めるときに左回りにするためではなく、逆ねじ(普通は右回りが締まる方向だが、左回りが締まる方向のねじ)の場合のための切り替えとなっているようです。

トルクレンチのレバー部拡大写真
順ねじ逆ねじでレバーを切り替える

そこで必要なのが”スピンナーハンドル”です。

スピンナーハンドル外観
左右に首振りできるハンドル

差込角が同じサイズであれば、ソケットはトルクレンチとスピンナーハンドルで共用できます。

差込角の説明写真
写真の差込角は1/2sq(12.7mm)

最初はこのスピンナーハンドルでナットを少し緩めます(自分の場合1/8回転ぐらいです)。

スピンナーハンドルでナットを緩めている様子
最初はスピンナーハンドルで緩める

クルマに装備されているホイールレンチに較べて柄が長く、先端の角度が自由に変わるのでかなり使いやすいと思います。

手順2

ジャッキをクルマのジャッキアップポイントにかけ、タイヤが地面から少し浮くところまでジャッキアップします(上げ過ぎない)。

クルマのジャッキアップポイントの場所
矢印の切り欠きの間にジャッキをセット
タイヤを浮かせた状態
タイヤを浮かせた状態(およそ15mmぐらい)

手順3

スピンナーハンドルですべてのナットを外します。

ナットが緩くなってきたらソケットを外し、ソケットだけで回すとやすいと思います。

ソケットだけでナットを緩める様子

手順4

タイヤを外したら、万が一ジャッキが外れたときに車体が地面に落ちるのを防ぐためにそのタイヤを車体の下に置きます。

外したタイヤを車体下に置いた状態

ホイールナットを締めるとき

手順1

夏用タイヤまたは冬用タイヤに入れ替えます。

このとき、ホイール接触面(ホイール側と車体側)拭いて異物を落としておきます。

車体側のホイール接触面

手順2

ホイールナットを手で回して入れられるところまで入れ、スピンナーハンドルで対角に少しずつ数回に分けて均等に締めていきます(最後の締め付けはトルクレンチで行うので本締めはしない)。

ナット締め付け順
番号順に対角に締めていく

*防錆などが目的であってもホイールナットのネジ部やテーパー部、ボルトのネジ部にオイルやグリスを塗ってはいけません。必要以上にナットが締め付けられるためボルトの破損などになる恐れがあります。またボルトが緩む恐れがあります。

手順3

トルクレンチでホイールナットを本締めする(締め付け順は対角に行う)。このときの注意ポイントは次の通りです(ここが重要)。

  1. グリップの印の位置で握る
  2. 勢いをつけて素早く回さない、”カチッ”というところまでゆっくり回す
  3. 2回以上”カチッ”とやらない

1~3について説明します。

1)について:印の位置とは下の写真の位置です。

ラインが中指と薬指の真ん中になるように握る

この位置を握らないと正しいトルクが測れないようです。

なんとなくどこを握っても同じじゃないかと思ってしまいますが、内部機構(カチッとなる部分)にかかる力に差が出るみたいです。

2)について:勢いよく締めると設定したトルクよりオーバーしてしまいます。作業効率を上げるためついつい勢いをつけてやりがちですが、ゆっくり回さないと正しいトルクで締め付けられないようです。

3)について:一度「カチッ」と締め付けた後、確認の意味でもう一度やりがちですが、これもオーバートルクになるのでNGです。

どうしても締め付けたかどうか確認したい場合は、面倒でも少し緩めてからもう一度「カチッ」と締め付けます。

以上のことについて、こちら(KTCホームページ)で詳しい情報がご覧いただけます。「TOP→サポート情報→トルクレンチの基礎知識」の順に辿って行ってください。

同じくKTCホームページの「TOP→工具の基礎知識→Lesson16 トルクレンチ→その⑤トルクレンチの持ち方って⁉」のページに、グリップ位置が変わるとなぜ正しくトルクが測れないのかが記載されていますのでご参考にしてください。

自分自身”1”については印があること自体知りませんでした。また、”2”、”3”についてはやってはいけないほうのやり方をやっていました(気づけて良かった…)。

10年以上使用して今更ですがトルクレンチに貼られている注意シールにも、これらのことが記載してありました。読まなかったことを反省しています。

手順4

ジャッキを下す。すべてのタイヤを同様に交換する。

パイオニア 公式オンラインショップ

おわりに

トルクレンチについて調べてみましたが、今までの自分の使用方法がほぼ間違いであること気付き恥ずかしい限りです。

単能型は設定トルクがあらかじめ決まっているので自分のクルマの締め付けトルクがわからなければなりませんが、クルマの取扱説明書に記載されていますので確認することが出来ます。

トルクレンチは精密機器なのでそれなりの値段になります。価格を見ると「えっ」と思うかもしれませんが、安全のためなら安いかも知れません。

また、取り扱いや保管方法にも気を付けてください。

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この記事を書いている人
ひとっさん

日常の中で自分で実際に作った、取り付けた、交換したことを中心に紹介しています。おもにDIY的な内容になっています。お役に立てたら幸いです。

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