今回、ロードバイクのボトムブラケットの交換をするに当たり、クランクセットの取り外しおよび取り付けを行いましたので、その手順を紹介いたします。
取り付け、取り外しを行ったのはシマノのホローテックⅡというのクランクとBB軸が一体構造になっているタイプのものです。
ボトムブラケットの交換以外にも、クランクの変更(クランク長の変更、グレードの変更など)をする場合にもこの作業が必要になります。参考にしていただけたら幸いです。
なお、ボトムブラケットの交換は別の記事↓にしています。
必要な工具など
必要な工具などは以下の通りです。
- 左クランクのキャップを外す専用工具
- 5mm 六角ソケット(差込角6.35mm)
- トルクレンチ (シグナル式プレセット型:測定範囲 3Nm~15Nm、差込角6.35mm)
- 当て木(プラスチックハンマーを使用する場合は不要)
- 金槌
- マイナスドライバー
- 5mm六角レンチ
- グリス
![使用工具など一式](https://hitossan.com/wp-content/uploads/2023/05/crank-set-tools.jpg)
①の専用工具はパークツールの”BBT-9”を使用(使用するのは下の写真の部分です)。純正工具の場合”TL-FC16”または”TL-FC18”となります。
![パークツールBBT-9 キャップ工具部外観](https://hitossan.com/wp-content/uploads/2023/05/bbt9-cap-tool.jpg)
クランクセットの取り外し
左クランクアームの2本のボルトをゆるめておきます(締めた状態だとこの後のキャップが外れないため)。
![左クランクアームの六角穴付きボルトをゆるめている様子](https://hitossan.com/wp-content/uploads/2023/05/crank-arm-bolt-loosen.jpg)
キャップを専用工具で取り外します。
![BBT-9でクランクキャップをゆるめている様子](https://hitossan.com/wp-content/uploads/2023/05/crank-arm-cap-remove-1.jpg)
![クランクキャップを取り出している様子](https://hitossan.com/wp-content/uploads/2023/05/crank-arm-cap-remove-2.jpg)
外れ止めプレートの手前側をマイナスドライバーなどで持ち上げます。
![外れ止めプレートをマイナスドライバーで持ち上げている様子](https://hitossan.com/wp-content/uploads/2023/05/crank-arm-plate-lift.jpg)
![外れ止めプレート外観](https://hitossan.com/wp-content/uploads/2023/05/left-crank-plate.jpg)
クランクアームを引いて外します。
![左クランクアームを引き抜いている様子](https://hitossan.com/wp-content/uploads/2023/05/left-crank-arm-remove.jpg)
ここでチェーンを外して(脱落させて)おきます。
![チェーンを外した状態](https://hitossan.com/wp-content/uploads/2023/05/chain-drop.jpg)
BB軸を金槌で軽く叩きます(当て木をする)。
![BB軸に当て木をし金槌で叩いている様子](https://hitossan.com/wp-content/uploads/2023/05/right-crank-arm-unit-hammer-tap.jpg)
右クランクアームユニットを引き抜きます。
![右クランクユニットを引き抜いている様子](https://hitossan.com/wp-content/uploads/2023/05/right-crank-arm-unit-remove.jpg)
以上でクランクセットの取り外し完了です。
クランクセットのト取り付け
ここからは取り付け作業になります。
グリスの塗布量、塗布箇所については個人の判断によるものです。参考程度にお願いします。
写真の位置にグリスを薄く塗ります(BB軸外側全体と右クランクユニットがBBに当たる箇所)。
![右クランクユニットのBB軸とBBに当たるところにグリスを塗った状態](https://hitossan.com/wp-content/uploads/2023/05/right-crank-arm-unit-grease.jpg)
BB軸をBBに挿入し、右クランクアームユニットがBBに完全に当たるまで押し込みます。
*これ以降の好きなタイミングでチェーンを元に戻します。
![右クランクユニットのBB軸をBBに入れ押し込んでいる様子](https://hitossan.com/wp-content/uploads/2023/05/right-crank-arm-unit-insert.jpg)
BB軸の先端が左側に出てくるので、その部分にグリスを塗ります。
![BBの左から出てきた右クランクユニットのBB軸先端にグリスを塗った状態](https://hitossan.com/wp-content/uploads/2023/05/right-crank-arm-unit-axle-end.jpg)
左クランクアームの写真の位置に薄くグリスを塗ります(BB軸が入る部分と左クランクユニットがBBに当たる箇所)。
![左クランクアームのBB軸が入る部分とBBが当たる箇所にグリスを塗った状態](https://hitossan.com/wp-content/uploads/2023/05/left-crank-arm-grease.jpg)
左クランクアームをBB軸に入れます(クランクアーム内側のギザギザ部に1箇所溝の広い部分があるので角度を間違えることはないです)。
![左クランクアームがBB軸に入った状態](https://hitossan.com/wp-content/uploads/2023/05/left-crank-arm-insert.jpg)
キャップのネジ部にグリスを塗り、専用工具で締め付けます。
締付トルクは”0.7-1.5Nm”となっていますが、専用工具を手で回せるところまででOKだと思います(この後2本の六角穴付きボルトを締めると外れなくなるため)。
![クランクキャップにグリスを塗った状態](https://hitossan.com/wp-content/uploads/2023/05/crank-cap-grease.jpg)
![BBT-9でクランクキャップを締めている様子](https://hitossan.com/wp-content/uploads/2023/05/crank-arm-cap-tighten.jpg)
外れ止めプレートを押し込みます。
![外れ止めプレートを押し込んでいる様子](https://hitossan.com/wp-content/uploads/2023/05/left-crank-plate-in.jpg)
2本の六角穴付きボルトを左右交互に均等に締め付けます(最後の締め付けはトルクレンチで行います)。
![左クランクアームのボルトを締めている様子](https://hitossan.com/wp-content/uploads/2023/05/crank-arm-bolt-tighten.jpg)
トルクレンチで最終の締め付けを行います(締め付けトルクはクランクアームに記載されています:12-14Nm)。
![左クランクアームのボルトをトルクレンチで締めている様子](https://hitossan.com/wp-content/uploads/2023/05/crank-arm-bolt-torque-wrench.jpg)
以上で、クランクセットの取付完了です。
おわりに
ホローテックⅡのクランクセット取り外し、取り付けは2回目ですが、以前(2000年より前ごろ)の四角軸のBBに較べたらかなりやりやすいと思います。
それでもいざやろうと思ったら、すこし躊躇してしまうのがこの部分かも知れません。
クランクセットの取り外し、取り付けだけなら固くてゆるめられない部分はないと思います(BB外しは固く締まっていて手こずりました)。
右クランクユニットのBB軸をBBに挿入するときやや入りにくいかも知れません。自分の場合手のひらの下部分(掌底)でトントンと軽く叩いたら入りました。
トルクレンチはそこそこ高価ですが安全のためには必要です。また、規定トルクで締めるとこで安心感が違います。