STIレバーを操作しても変速できない!空振りする。そんなときは・・・

ロードバイクの変速レバー(STIレバー)を操作しても、何段目までは変速出来るがそこから先は変速出来ない、そして変速の手応えがなく空振りしているような感覚がする。

そんなときはブラケットカバーを捲ってシフトケーブルの状態を確認して見てください。

下の写真は自分が遭遇したケーブルの状態です。

右ブラケットカバーを捲った状態
この部分を確認する

上の黄色丸印の部分を拡大したのが以下の写真です。

ケーブルがほつれた状態(拡大写真)
ほつれた状態

ケーブルがほつれています。

なぜケーブルがほつれると変速出来ないのでしょう?

それは、ほつれたケーブルが引っ掛かって動かなくなるためです。

自分の場合、下の写真の位置(17Tのスプロケット)から上(18T~25Tのスプロケット)への変速は出来ますが、17Tから下のスプロケット(16T~12T)への変速は出来なくなりました。

スプロケットの変速できる位置とできない位置の写真

下の写真は取り外したケーブルとケーブルガイドです。

取り外したほつれたケーブル
ほつれたケーブル
取り外した傷ついたケーブルガイド
傷ついたケーブルガイド

今回の”変速出来ない”、”空振りする”の原因がSTIレバーの故障ではなくてひとまず安心です。

原因がわかったところでケーブル交換に取り掛かりたいと思います。

シフトインナーケーブルの取り外し

ケーブル交換に必要な工具は以下の通りです。

ケーブル交換に必要な工具

①ケーブルカッター

②六角レンチ 5mm

③六角ソケット 5mm(トルクレンチに取り付けて使用)

④トルクレンチ

そのほかに使用した工具等は以下の通りです(状況に応じて使用したもの)。

必要な工具以外に使用した工具等

⑤ケーブルグリス(シマノ OT-SP41)

⑥精密ドライバー(先端の幅2.9mm以下のもの)

⑦マイナスドライバー

⑧プラスドライバー #1

⑨ラジオペンチ

通常であればシフトレバーを操作してトップの位置にすれば、インナータイコがケーブル通し穴の正面に移動するのでケーブルを押し出せると思いますが、ほつれたケーブルが引っ掛かり押し出すことが出来ませんでした。

結果的に以下の手順でケーブルを取り出すことが出来ましたので、1例として参考にしてください。

なお、レバーの名称は以下の通りとします。

レバーA、Bの定義図

①シフト インナー ケーブル(以下ケーブル)をリアディレイラーから外す。

レアディレイラーのケーブル固定ボルトを緩めている様子
六角レンチ5mm使用

②レバー横にあるユニットカバーを取り外す。

ユニットカバーを取り外している様子
#1のプラスドライバーが必要
ユニットカバーを取り外した状態
ユニットカバーを外した状態

③レバーAを操作してインナータイコが見える位置(取り外しやすい位置)まで移動させる。

見える位置までインナータイコを移動させた状態

④マイナスドライバーでインナータイコを外す。

インナータイコをずらした状態

⑤ラジオペンチでインナータイコを掴んで少し引っ張りケーブルを切断し、インナータイコを取り外す。

インナータイコを少し引っ張り出した状態
インナータイコを引っ張り出す
インナータイコをケーブルカッターでカットしている様子
カットする

⑥逆方向からケーブルを引っ張り取り出す。

ほつれたケーブルの破片がレバー内に残っている場合は取り除きます。

以上のやり方でケーブルの取り外すことが出来ました。

シフトインナーケーブルの取り付け

ケーブルガイドが傷だらけのため、シフトインナーケーブルを取り付ける前に交換したいと思います。

交換には先の細いドライバー等が必要です。下の写真では精密ドライバーを使用しています。

精密ドライバーでケーブルガイドを外している様子

ケーブルガイド横の突起部で固定されているようなので、ここが外れればケーブルガイドが外せます。

ケーブルガイドの突起部拡大写真

ケーブルガイドの取り付けは、突起部が嵌るところまでスライドさせて入れます。

ケーブルガイドを入れている様子

つづいてケーブルを通していきます。手順は以下の通りです。

①レバー下のケーブル通し穴からケーブル先端を通します。

このとき、レバーBを操作してインナータイコが収まる位置と通し穴を一致させておきます(トップギアの位置)。

ケーブルを通している様子

*新品ケーブル(オプティスリック)使用のため基本的にケーブルグリスは塗布していません(ケーブルとケーブルガイドが擦れる部分のみ塗布

*新品にも塗布するかどうかは自己判断でお願いします

②ケーブルの先端をアウターキャップに通します。

ケーブルをアウターキャップに通した状態(拡大写真)

③ケーブルをさらに通して行き、インナータイコを完全に収めます。

インナータイコが奥まで入っている状態
インナータイコが奥まで入っていればOK

④ケーブルをリアディレイラーに一旦固定します。

⑤ケーブルの初期の伸びを取り、ケーブルを外して固定し直します。

ケーブルを引っ張り初期の伸びを取っている様子

⑥ケーブルを固定しているボルトをトルクレンチで締めます。トルク値はリアディレイラーの取扱説明書等で確認してください(参考値:6-7N・m)。

⑦ケーブルの先端を適度な長さ(参考値:2~3cm)でカットし、インナーキャップを取り付けます。

ケーブルをリア ディレイラーに取り付け終わった状態

あとは、変速操作が問題なく出来る様ケーブルの長さ(張り具合)を微調整して完了です。

調整方法は最小スプロケットから2段目に変速し、レバーAを遊びの分だけ操作し3段目に接触し、音鳴りする位置がベストの位置です(詳しくはリアディレイラーの取扱説明書等で確認してください)。

取扱説明書等はシマノ情報サイト”si.shimano.com”でダウンロード可能です。

おわりに

以前もケーブルがほつれたことはありますが、そのときはほつれたケーブルがブラケットカバーを突き抜けて手に刺さるという痛い目に遭いました。

今回はそのときとは状況が違い、ほつれたケーブルが引っ掛かって変速できなくなるということになりました。

かなり使い込んでいるので、最初はレバーの故障かな?と思いましたがケーブル交換で事なきを得ました。

レバー交換といっても年式が古いため入手は出来ないと思います。そうなるとコンポーネントをフルセットで新しいものに交換ということになりかなりの出費になるところでした。

ときどき確認したり、異常がなくとも定期的に交換する必要を感じました。

この記事を書いている人
ひとっさん

日々の暮らしや趣味を楽しむ中で行ったことで、役立ちそうなことやヒントになりそうなことを記事にしています。
お役に立てたらうれしいです。

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