カンパニョーロのZondaというホイールを購入して約8年になりますが2年に1度ぐらいのペースでリアホイールのハブのグリスアップを行ってきました(フロントホイールのハブは3年に1度ぐらいです)。
なお、この頻度は自分自身の判断によるものでメーカー推奨時期ではありませんので、ご自身の使用環境、走行距離などを目安に行って下さい。
リアホイールの場合、グリスアップと同時にラチェットのバネ(ポールスプリングと呼ばれる円形のバネ)を交換しています。
このポールスプリングは個人的には非常に重要なパーツだと認識しています。定期的な交換をお勧めします。
この他のハブパーツについては今回は交換対象外です。
【ご注意】紹介するのはZonda C15(リム内幅15mm)です。現在主流のC17ではありませんのでご承知下さい。カンパニョーロ オフィシャル ウエブサイト内のテクニカルマニュアルにホイールのメンテナンス方法の資料(PDF)がありましたので、そちらもご確認いただくことをお勧めします(締め付けトルクもテクニカルマニュアルでご確認ください)。
カセットスプロケット外し
バイクからリアホイールを外し、カセットスプロケットを外します。
使用する工具は以下のような工具です(シマノのカセットスプロケットなのでシマノ用の工具が必要です)。
スプロケットリムーバー(スプロケット外し)と呼ばれます。
下の写真の様にAの工具とBの工具を挟むように使うと緩めやすいと思います。この場合Bの工具はトップのギアにセットしています。
ロックリングをガクッと少し緩めた後少し回したら、あとは手でロックリングを回して外します(Aをはめるとき完全に奥まで入れます)。
ロックリングを取り出します。
ロックリングと最初のスプロケット(ここでは12T)の間に、ロックリングスペーサーという薄いスペーサーがあります。
ロックリングが取り付けられていた時の締め付けで圧着されているような状態なので、特に外す必要はないと思いますが、参考までに外すと以下の様になっています。
カセットスプロケットを取り出します。
カセットスプロケットを取り出すとスペーサーが2枚ありますが、1枚目(下側)は、このフリーボディ(11速用)に9速及び10速のカセットスプロケットを使用する場合に必要なもので、11速のカセットスプロケットを使用する場合は使いません。
2枚目(上側)のスペーサーはカセットスプロケット(この場合CS-6700)に付属のもので、カセットスプロケットと同時に使用します。
この2枚のスペーサーをフリーボディから取り出します(後からでもいいです)。
フリーボディ外し
フリーボディを固定しているロックナットを外します。
写真の様にスパナ17mmと六角レンチ5mmを使用します。
ロックナットとフリーボディを取り出します。
フリーボディのベアリングの上にスペーサーが載っているので忘れないように・・・。
ラチェットのツメ外し
フリーボディの反対側はラチェットのツメが3つあります。
このツメはポール(Pawl)スプリングと呼ばれるリング状のバネで固定されているので、このバネをマイナスドライバーなどを使用して外します。
上の写真でわかるように上面に1つ丸穴が開いていますが、ここにポールスプリングが内側から引っ掛けてあります。
外すときはこの穴の反対側(対角側)から外します。
外したラチェットのツメがこちらです。
外したポールスプリングがこちらです。
フリーボディ内にはベアリングが嵌めてありますが、こちらの交換は今回は対象外です。
ハブアクスル取り外し
ハブの左側のボルト(アクスル用フィキシングボルト)を外します。
*ハブの各パーツの名称は独自に調べたものであり、正式名称とは異なるかも知れませんのでご注意ください。
ハブアクスル(ハブの軸)の両側に六角レンチ(5mm)を差し込み、ボルトを左方向に回して外します。
このボルトが固着あるいは固く締まっていて外すのに苦労しましたが、 浸透潤滑剤をスプレーし何とか外れました。
浸透潤滑剤をあらかじめ用意しておいたほうがいいと思います。
ベアリングの玉押し調整用のパーツ(ハブ アジャスティング スリーブ)を外します。
ボルトを緩めたら、このパーツを手で左に回し外します。回りにくい場合は六角レンチを差したまま左に回せば緩みます。
ハブアクスルを外します。
先程外したハブ アジャスティング スリーブがついていた側から、ハブアクスルをプラスチックハンマーなどでコツンと軽く叩くと反対側へ抜けていきます。
抜けたハブアクスルにはハブコーン(右側)が付いているので、洗浄する場合は外します。
ハブ ベアリング取り出し
真ん中に残っている切れ目の入ったリング(ハブ アジャスティング コーン)とハブコーン(左側)を取り出します。
ハブ リップシールを取り出します(金属の薄い板に何かしらの膜がついているパーツ)。
マイナスドライバーの先端をリップシールの裏に当て、てこの原理で持ち上げます。
リップシールについている膜は柔らかい素材なので破らないように注意が必要です。
リップシールを取ると、ベアリング(ボールがはめてあるリング)が見えます。
これを取り出します。
逆側(フリーボディが付いていた側)も同様に、リップシールとベアリングを取り出します。
ベアリングを外して汚れたグリスを拭き取ったのが次の写真です。
外したベアリングはバラして洗浄します。
以上で分解作業は終わりです。