家の壁にフック、棚、手すりなどを取り付けたりするとき壁裏に補強材がない場所に取り付けると強度がないため落下してしまいます。
強度がある部分とは間柱がある部分ですが、壁の構造によっては必ずしも間柱に取り付けられるとは限らないようなので壁の構造を理解した上で、取り付けるものの重さを考慮して取り付けなければなりません。
間柱の位置を確認するには”下地センサー”(間柱センサー、壁裏センサーなどともいう)を使用します。
今回はこの”下地センサー”の使い方の紹介です。
下地センサーにも安価なものから高価なプロ仕様のもの、対応している壁材の種類および探知可能な材質の種類が多いものなど様々なものがあるようですが、ここで紹介するのは以下のものになります(自分が所有しているもの)。
このうち”下地センサー mini 15”と”下地センサー Pro 25AC”は10年以上前に購入したものなので、現在(2023年8月)は生産終了しているようです。新しい製品でも基本的な使い方は共通している部分があると思いますので、参考にしていただけたら幸いです。
下地センサーの使い方
間柱探知・深部探知・電線探知が可能なタイプ (下地センサー Pro 25AC)
この下地センサーの”壁材と探知物及び探知距離”は以下の様になっています。
間柱の間隔は一般的に一尺(303mm)または一尺五寸(455mm)と言われているので、これを目安にすれば見つけやすいと思います。
ただし、胴縁(柱、間柱に打つ細い板)がある場合は下のようになります。
使用方法
ここでは2×4材(間柱の代わり)の上に厚さ3mmのアクリル板(壁の代わり)を置き、どのように探知するのかを見ていきます)。
間柱がありそうな位置の少し横の壁に下地センサーを置き、電源スイッチを押す(押したまま)。
電源スイッチを押したまま、壁から離さないよう横方向にスライドさせます。
2×4材の端が近づくにつれて探知LEDが下側から上側にひとつずつ移動していきます。
一番上のLEDが光ると同時にブザーが鳴り先端のスポットライトが点灯するので、その位置をマーキングします(2×4材の幅より外側で探知します)。
逆方向からも同様に行いマーキングします。
この2点の中心が2×4材の中心になります。2点は2×4材の幅ではなく、2点の中心が2×4材の中心になります。
念のために少し(約20cm)上または下でも同様に探知することを確認するとより確実になります。
もし、間柱の上からスタートしたら少しスライドするとエラーになります。
モード切替
壁の厚さによって”浅モード”(壁厚19mmまで)と”深モード”(壁厚25mmまで)の切り替えが可能ですが、一般的には19mmまで探知できれば問題ないと思います。
電線探知
この下地センサーは”電線探知”が可能なため、下の写真のように棒材(厚さ18mm)の上にアクリル板(3mm)を置き、その下に電線を通して動作を確認してみました。なお、”電線探知”は通電中の電線に反応するようになています。
*実際の埋め込みコンセントや照明の埋め込みスイッチに繋がっている電線とは種類の違う電線を使用しています(電源タップの電線を使用しています)。
もし、電線の上からスタートしたら少しスライドするとエラーになります(実際には電線は見えないので動作確認のため)。
通電中の電線を探知することで壁に何かを取り付ける際、ビスが電線に接触したりするのを避けるのに役立ちます。
間柱探知のみ可能なタイプ (下地センサー mini 15)
シンプルな間柱のみ探知できる下地センサーでも同様に行ってみました。
この下地センサーの”壁材と探知物及び探知距離”は以下の様になっています。
探知したところにマーキングをしたのが下の写真です。
こちらのほうが間柱の近くで探知しましたが、中心は同じという結果になりました。
壁に針を突き刺して間柱を探すタイプ (下地探し どこ太 Basic 35mm マグネット付き)
このタイプは針を壁に突き刺し下地があれば針が途中で止まり、下地がなければ手応えがなく針が入るようになっています。
下地センサーで確認した後、更にこの”下地探し どこ太”を使うことで下地の存在がより確実になります。
下の写真は天井に使てみた様子です(うちの家の壁が石膏ボードでないため)。天井材は石膏ボードと繊維状の木材を固めたボードの2層構造のようでした。
上の写真の目盛りの指示が壁の厚さになります。ただし、針の先端が下地に少し刺さるとその分誤差が出ます。
また、この製品はマグネット付きのため石膏ボードを止めているビスを探すことが出来ます。これがかなり便利です。
一般的なマグネットで試してみたところ磁力が弱く、ビスを見つけることが出来ませんでした。
使い方は、下地探しの先端を壁に軽く当てながらスライドさせていき、ビスの上部に来るとマグネットが反応し(カチッと鳴る)先端が引き寄せられます。
これを何か所か行えば下地の位置がわかります。
下の写真の壁は石膏ボードではなく合板なので針は刺せませんが、ビスをマグネットで探すことは出来ます。
おわりに
今回紹介した下地センサー(下地センサー Pro 25AC と 下地センサー mini 15)は10年以上前に購入したものですが、購入理由は床の張り直し(既存の板の上に合板を貼りクッションフロアで仕上げる方法)をするにあたり”根太”の位置を調べるためですが、結局うまく探知できませんでした。
本来は壁に使うものなのでダメでした(合板は対応していません)。仕方なく床下に潜り根太の走っている方向を確認して無事張り直し出来ました。
この記事を作成するにあたって壁の構造(下地の組み方)についてWebで調べてみましたが、思っていたよりもいろいろな構造があることに気付きました。
下地センサーで下地を見つけても、壁の構造によっては棚などを取り付けるのが難しい場合があると思います。
軽いものなら問題ないかも知れませんが、重量のあるものを取り付ける場合はある程度の壁の構造についての知識が必要だと感じました。安全上問題ないかを慎重に検討した上で行ってください。