ハブ ベアリング取り付け
ここからは組立作業になります。
その前に、ハブアクスル関係の部品構成を整理すると以下のようになります。
ハブの両側にベアリングを入れるところから始めます。なお、グリスの量、塗布のやり方などは個人的見解によるものですので参考程度にお願いします。
グリスは純正グリスが入手困難なため、ネットの情報を頼りに以下のものを代用しました。
リップシールを嵌めます。
反対側(左側)のベアリングとリップシールも同様に嵌めます。
リップシールがうまく嵌らず苦戦しましたが、以下の様にすると割りと簡単に嵌りました(左側のリップシールを例にしています)。
指で嵌めにくい場合はマイナスドライバーなどを使用して押さえますが、リップシールの膜を破らないよう注意が必要です。
ハブアクスル取り付け
右側(フリーボディ側)のハブコーンをハブアクスルに通し、ハブコーンにグリスを塗布します。
そのままハブアクスルをハブに通します(ハブコーンがベアリングに当たるところまで)。
反対側(左側)のハブコーンを入れます。
ハブ アジャスティング コーンをハブコーンとハブアクスルの隙間に入れます。
ハブ アジャスティング スリーブを入れます。
玉押し調整は後で行うため、手で回して軽く止まるところまで入れます。
アクスル用 フィキシング ボルトにワッシャーを入れます。
ハブアクスルに固定します。
ラチェットのツメ取り付け
ラチェットのツメの内側にグリスを塗布し、フリーボディの窪みに合わせて引っ付けます。
ポールスプリングの曲げてある部分を溝の内側から丸穴に引っ掛け、全体を溝にグルッと嵌めます。
なお、ポールスプリングは新品に交換しています。老朽化して折れると危険な目に遭う事が予想されるからです。
フリーボディ取り付け
フリーボディのポールスプリングを嵌めた溝周辺とハブ本体側のギザギザの部分にグリスを塗布し、フリーボディのラチェットのツメを内側に入れながらハブ本体に嵌めます。
ロックナットを取り付けます(とりあえず、手回しで入るところまで入れます)。この時、先にスペーサーを入れることを忘れないように。
スパナ17mmと六角レンチ5mmでロックナットを締め付け固定します。
カセットスプロケット取り付け
カセットスプロケット外しのところで触れたように、このフリーボディは11速用ですが9速及び10速のカセットスプロケットで使用する場合はホイール(Zonda)に付属のスペーサー(正式名称はアダプター)を最初に入れます。
このアダプターを入れる前に、フリーボディ全体に防錆の目的で薄くグリスを塗っています(防錆目的なので別のグリスを使っています)。
もう1枚のスペーサーはカセットスプロケットに付属のもので、同梱の「ご使用方法」に記載されているようにカセットスプロケットの下に入れます(10段専用のフリーホイールの場合は、スペーサー不要との記載あり)。
カセットスプロケットを入れ、ロックリングを締め付けて固定します。
取り外しのところでも触れましたが、一番上(一番外側)のスプロケット(ここでは12T)とロックリングの間にスペーサーがあります。分解の時にスペーサーをロックリングから外す必要がないと思いましたので、写真のロックリングの裏にスペーサーがあるものと思って下さい。
ロックリングの締め付けトルクは、「ご使用方法」には30~50N・mと記載されていますが、ロックリングには中心値の40N・mと表示されています。
専用工具がないので勘に頼るしかありません・・・。
とりあえず完成しました。あとは玉押し調整です。
玉押し調整はホイールをバイクに取り付けてから行います(この方法はネットで調べた方法です)。
リムを横方向にトントンと手で軽く叩くとベアリングの玉の当たり具合(ガタツキが有るか無いか)が手に伝わる振動でわかると思います(キャリパーブレーキのアーチを開いたほうが、ブレーキシューに当たらずやりやすいと思います)。これをホイールを回転させながら左右から行います。
この感覚を頼りに、ハブアジャスティングスリーブを回しながら最適な位置(ガタツキが無く、締め付け過ぎない所)を探っていきます。
感覚的なものなので最終的にはご自身でご判断をお願いします。
ハブアジャスティングスリーブの位置が決まったら、このスリーブが緩まないように付属の六角穴付きボルトを2.5mmの六角レンチで固定します。
また、この六角穴付きボルト自体が緩まないようにゆるみ止めを1滴塗布しておきました。
恐らくですが、初期の状態(購入時)でもゆるみ止めが塗布されていた形跡がありました(個人的見解です)。
写真はありませんが、青色の固着物がありました。
以上でZonda(C15)リアハブのグリスアップの全工程終了です。
おわりに
部品点数が多く分解組み立てが大変ですが、メンテナンスを怠るとハブの寿命を短くしたり、ポールスプリングの破損により思わぬ事故つながるかも知れません。
はじめは不安かも知れませんが、一度経験すれば要領がつかめると思います。安全にロードバイクを楽しむためにも挑戦してみてください。
ただし、本当に無理だと感じたらショップにお願いしてください。