穴あけ、鬼目ナット埋め込み
【幕板に鬼目ナットを埋め込む】
接着剤が乾燥したら、脚を天板に固定するための鬼目ナット(EタイプM8×20)を埋める穴をあけます。
穴の位置合わせは脚組み立ての幕板の下側と、天板裏の2×4材の下側にそれぞれ中心線を引き、その線を合わせてバークランプで固定します。
天板裏の2×4材には、以前の脚(集成材の板)を固定するときに使っていた皿小ねじを通す穴(8mm)があるので、ここに穴と同じ大きさのドリル(8mm)を通しドリルの先端を脚組み立てに押し当てて印をつけます(左右各4カ所合計8カ所)。
バークランプを外し、印をつけたところにドリルで穴をあけます。
穴の深さは23mmにしていますが(幕板、貫の図面参照)、ピッタリ23mmというわけにもいかないので気持ち深めに開けています。
穴に鬼目ナットを埋め込みます。
鬼目ナットの埋め込みが完了したら、皿小ねじを通し固定してみます。
何カ所かボルトの締めつけがきつかったので、穴を丸ヤスリ削って少し広げたら改善しました。
【貫を固定する穴をあける】
つなぎ貫を固定するための穴をあけます。
脚組立の貫の位置を75mm間違えていたため、つなぎ貫を固定する位置も変更しました。
ただし、75mmずらすと節に当たるところがあったため、55mmずらしました。
つなぎ貫は以前の机で使用していたものを使うため、鬼目ナット(EタイプM5×13)はすでに埋め込んであります。この鬼目ナットの位置を脚側に移す必要があります。
そこでクリアファイルを使って位置を移してみました。
まず、つなぎ貫の両側の木口周辺にマスキングテープを貼り(つなぎ貫が塗装済みのため)、4面に中心の印をつけます。
それをクリアファイルの上に置き、そのまま極細マジックで木口の輪郭を描き、中心の位置も印をつけます。
つなぎ貫を取り、クリアファイルに右側か左側かわかるように文字を書き、適当な大きさに切り取ります。これを左右それぞれ作ります。
型取りしたクリアファイルのシートを、同じ側のつなぎ貫の木口の上に位置を合わせて乗せます。この時シートの裏表と上下を間違えないよう注意します。
鬼目ナットの中心点を描いたシートを今度は脚組み立てに合わせます。そのためにまず脚組み立て側につなぎ貫を固定する位置を墨付けしておきます。
シートを墨付けした線に合わせ、鬼目ナットの中心の穴に釘を通し印をつけます。
鬼目ナットの中心点と墨付けした中心線がずれていますが、中心線はシートの位置合わせ用なので問題ありません。
この印の位置にドリルで貫通穴をあけます。ここの穴に通す皿小ねじはM5×50mmにしています。なので穴の径は5mmでいいのですが、少し遊びを持たせるため6mm(Φ6)にしました。
ショートビットしかもっていなかったので途中まであけたところでドリルガイドを外し、2回に分けて穴あけします。
この穴に皿小ねじを通すわけですが、ボルトの頭をきれいにおさめるため面取りカッターで皿取り加工します。
皿小ねじを穴に通した状態で頭の周りをぐるっと一周鉛筆などで円を描きます。
皿小ねじを外し、描いた円の位置まで面取りカッターで削っていきます。この時ドリルの回転数を少し抑えたほうがやりやすいと思います(ドライバードリルの場合、レバーの引き具合で回転数が変わると思います)。
天板裏の2×4材(脚組み立てを固定する部分)の穴も面取りカッターで加工します。
皿取りした面が粗くなっている場合はナイフやカッターできれいにします。
脚底の切断
いよいよ脚底の切断に入ります。そのために、いったん組み立てます。
机の最終的な高さ(仕上がりの高さ)は705mmにしています。ここから天板の板厚25mmを引いた高さ680mmが脚組み立ての高さになります。
机を組み立てた状態で脚組み立ての四隅に680mmの位置の墨付けをしなければなりません。
そこで1mの定規があればいいのですが、このためだけに購入するのも勿体ないのでアルミのフラットバー(厚さ2mm、長さ1m)というものを代用することにしました。
フラットバーに680mmの位置を記入し(測定はコンベックスを使用)、四隅に印をつけていきます。机は逆さまにします。
四隅の印をフラットバーで結び、墨付けします。
つづいて墨付けしたところをカットします。組み立てた状態だとカットしにくいので、ばらしてからカットしました。
ここでもソーガイドを使いますが、微妙な角度調整が必要です。
ソーガイドに付属のダミープレートを使い角度のずれを確認し、ソーガイドの裏にマスキングテープを張り角度を調整します。角度が合うまでマスキングテープを重ねます。
ソーガイドの角度調整が出来たら対象の脚をカットします。4本の脚それぞれ”角度調整したらカット”を繰り返します。
カットした部分の脚底の角をサンドペーパーで削り、面取りしておきました。
塗装
塗料を塗るか塗らないかで仕上がり感が全く変わります。せっかくなので仕上げに塗装することをお勧めします。
塗料にもいろいろありますが、今回はこのような塗料を選びました。
2年前に購入したものですが、現在は取り扱いがないようです。塗料の分類だとオイルフィニッシュになります。
パッケージに記載の使用方法を簡単に説明すると以下の様になります。
- 塗る面のゴミ、油分、カビ、ワックス等をとる
- サンドペーパー(240~320番)で木目にをって研磨する
- 塗料が均一になるまで十分に混ぜる
- 一回目塗り:ハケで塗り広げ、直ちにスチールウール(00~000)またはナイロン研磨布(400番くらい)で木目に沿って研磨する
- 塗布面に粘りがでてきたところで、綿布で拭き上げる
- 一晩乾燥後、軽くスチールウール(00~000)またはサンドペーパー(600番くらい)で研磨する
- 2回目塗り:塗装後すぐに、綿布で小さくらせんを描くようにすり込み、拭き取る。
- 一晩乾燥後、スチールウール(00~000)またはサンドペーパー(600番くらい)で、ほこりを払う程度に研磨する。
- 綿布に塗料を染み込ませ、すり込むようにして拭き上げる
なかなかの長い工程のようです。
どの塗料でもそうですが、必ず取扱説明書、使用方法 、注意事項などを確認してください。
今回使った塗料のように植物油が使用されてい場合、染み込んだウエス(綿布)等を、そのまま放置すると油が酸化することにより発熱し、自然発火することがあります。
廃棄方法を確認して廃棄してください。
組み立て→完成
ここまでくれば完成間近です。長かった机の脚作りもこれで終わりです。
特に説明はいらないと思います。脚組み立てと、つなぎ貫を皿小ねじで固定するだけです。
剛性が低いと、机の上で消しゴムで文字を消すときなどグラグラ揺れたりしますが、特に気になるほどの揺れはないようです。
シンプルな形状ですが、使い勝手は良さそうです。
おわりに
机やテーブルの脚を2×4材で作るとき、どのような形状にするのか悩みどころだと思います。
今回久しぶりに(10年ぶりぐらい)ほぞ組みに挑戦してみました。なかなかの長期に渡るDIYでしたが、その分完成した時の達成感がありました。
自分で作った机で作業するのってなんか楽しいですよ。
作る上でおすすめしたい事は、寸法優先にすべきところと、現物優先にするところの使い分けです。
金属と違って木は反りやねじれがあるので、寸法通りにいかないことが良くあります。
今回も何度となく現物合わせが登場したと思います。参考にしていただけたら幸いです。