住宅用火災警報器の取り付けが義務付けられていますが、自宅に取り付けてから10年以上(約12年)が経過したので交換したいと思います。
電池式の警報器の場合、設置から10年で交換することが推奨されています。
交換に先立ち、住宅用火災警報器の主な種類と取り付け時の注意点を調べてみました。
前回(はじめて)取り付けたときはあまり調べもせず、とりあえず”寝室”のみに取り付けていましたが、寝室が2階にある場合”は”寝室がある階の階段の上部”にも取り付けが必要でした(原則として寝室と寝室がある階の階段の上部に設置することが義務付けられています)。
その他の部屋(台所、居室等)への設置の義務は自治体により異なるようです(市町村条例別)。
詳しくは、管轄の消防局、自治体のWebサイト等でご確認をお願いします。Web検索の際は”住宅用火災警報器 都道府県名 設置場所”のキーワードで検索すると見つかると思います。
住宅用火災警報器の種類
主な種類
①感知方式:煙式と熱式がある(一般的には煙式を設置する)
②警報の種類:音と音声がある(一般的に同時に本体のランプが光る)
③発砲方式:単独型と連動型がある
*住宅用火災警報器の場合、電源方式は電池式が一般的なので100V式はここでは除外しています。
製品を選ぶときは主にこれら①~③の組み合わせで決めます。これ以外にもメーカー独自の機能を有するものもありますので、設置環境等を考慮して選ぶことになります。
それぞれの種類の内容は以下の通りです。
①感知方式
煙式:煙を感知して警報を鳴らすタイプ(寝室や階段に設置が義務付けられているタイプ)
熱式:熱を感知して警報を鳴らすタイプ
*煙式の方が早期に火災を発見できるため、調理による煙の発生で警報器が鳴る場合などに熱式の設置を検討する。
*動作の仕組みについてはメーカーWebサイト等でご確認ください。
②警報の種類
音:警報を音で知らせるタイプ
音声:警報を音声で知らせるタイプ
③発砲方式
単独型:火災を感知した警報器のみが鳴るタイプ
連動型:1台の警報器が感知すると、すべての警報器が鳴るタイプ
上記の種類の中から今回自分が選んだのは次の通りです。
寝室:①煙式②音声③単独型(ニッタン:KRH-1B)
階段上部:①煙式②音③単独型(ニッタン:KRG-1D-X)
これら2台の警報器の設置間隔が直線距離で3mぐらいなので、連動型ではなく単独型にしました。また、警報を音と音声に別けたことで煙が寝室なのか階下からなのかわかるようにしました。
上記の製品の取り付けを例に説明していきます。
設置の前に
取り付ける場所は壁または天井ですが、これらの構造を理解して取り付ける必要があります。下地が弱い場所(壁や天井の板のみ)に取り付けると固定力が弱く落下する恐れがあります。
壁の構造
壁には真壁(柱が見える壁)と大壁(柱が見えない壁)があります。
真壁の場合は柱に取り付ければいいのですが、大壁の場合、壁に隠れている柱、間柱などに取り付ける必要があります(下は壁の構造の一例です)。
また、胴縁(横胴縁)がある壁は胴縁に警報器を取り付けることになるため、ベースが縦、横どちらでも取り付けられる製品が便利です。
壁に取り付ける場合、下地センサー(安価なものからプロ仕様のものまで色々あるようです)などで柱や間柱の位置を調べる必要があります。
*天井の構造については十分理解していないため省略させていただきます。
設置位置
今回取り付けた製品の設置位置は以下の様になります(取扱説明書に基づく)。
*設置位置およびその他の注意点については各製品の取扱説明書でご確認ください。
a:天井からの距離・・・15cm~50cm
b:壁からの距離・・・60cm以上
c:照明からの距離・・・なるべく離す
d:エアコン吹き出し口からの距離・・・1.5m以上
柱、壁への取り付け
それでは設置してみたいと思います。ここでは柱に取り付けます。
はじめに、既存の火災警報器(ここではパナソニックSH4500:生産終了品)を取り外します。
新しい警報器に設置年月を記入しておきます。
購入時は電池が接続されていないので、ベースを外し電池に繋がれているコネクターを本体に挿します。
新しい警報器の取り付けベースをねじ止めする。柱に残った2つのビス穴にそのまま取り付けられそうでしたが、取り付けベースのねじ穴のピッチが違っていたため下側を新たにビス止めすることにしました。
新たにビス止めする場合、直接ビス止めするとビスがきつく入りにくそうだったため下穴をあけてから取り付けることにしました。以下がその手順です。
上の写真では上側のビスが長穴の上部に来ていますが、矢印の位置までベースを上にスライドした状態で下側のビスの位置をマーキングしたほうがベース取り付け時に遊びがあって嵌めやすいです。
以上で柱への取付完了です。
壁が”石膏ボードに壁紙”の場合、次の”階段上部への取り付け”のように下地センサーを使用し間柱などの補強材に取り付けます。
階段上部への取り付け
次に階段上部への取り付けを行います。
自分の家の場合、階段は柱の見えない壁(大壁)で、”石膏ボードに壁紙”ではなく”モルタルに砂壁”のため下地の構造が不明で、下地センサーもこの壁には対応していないため天井に取り付けます。
この天井材が何なのか調べるのに苦労しましたが、石膏ボードと繊維状の木材を固めたボード(詳しくは不明)の2層構造のボード(厚さ約10mm)のようです。
この天井裏のどこかに下地(補強材)があり、そこに警報器をビス止めすることになります。
補強材の確認
一般的にボードのつなぎ目の裏側に補強材があると思われるので、下地センサーで確認します。
ここで使用した下地センサーは主にベニヤ、石膏ボード用ですが、この天井材(石膏ボードと繊維状の木材を固めたボードの2層構造のボード)でも下地を感知できました。
*ここで使用した下地センサーの製品の取扱説明書によると探知物の幅までは探知できないようです。左右の探知箇所の中心が下地材の中心になります。
”下地センサー”の詳しい使い方は↓の記事で紹介しています。
天井への取り付け
取り付けが終わったら
動作確認
取り付けが完了したら、”動作確認”を行います(自動試験機能の動作確認)。以下はこの製品の動作です。
警報器の紐を引くまたは”警報停止”ボタンを押す→警報音が鳴り、表示灯が赤く点滅すれば正常です。この確認は設置後だけでなく定期的に行う必要があります(故障していないかを確認するため)。
警報器が故障した場合(煙が感知できなくなった場合)、故障を知らせる警報音(”ピッピッピッ、故障です”)が鳴り、表示灯が点滅するようになっています。
電池切れになったら
電池寿命は約10年を想定されていますが、使用環境によってはこれより短くなり電池切れになる可能性があるようです。
電池切れになった場合”電池切れ警報”によって知らせてくれます(電池切れによる火災時の不作動を防止するため)。
警報音が音声のものは”電池切れです”(音声の内容は取扱説明書等で確認してください)と言ってくれるのでわかりやすいですが、音の場合は電池切れかどうかわかりにくいかも知れません。
電池切れ警報は周期的に鳴り、一時的に(一定時間)停止させることが出来ますが、これを繰り返しているうちに完全に動作しなくなる(電池切れ警報も鳴らなくなる)可能性があるので早めの対応が必要です。
おわりに
住宅用火災警報器の取り付け自体は簡単ですが、壁や天井に取り付けなければならないため、どこでもいいというわけにはいかないようです。
石膏ボードの壁や天井なら下地センサーで補強材(間柱、野縁など)の位置を見つけることが出来ると思います。
昔ながらの和室などは天井への取り付けは難しいかも知れません。
住宅用火災警報器にもいろいろと便利な機能があるようです。ここでは取り上げていませんが興味のある方は調べてみて下さい。
電池切れになっても寿命(10年)が近かったら本体を交換したほうがいいかも知れません。