完成した机(引き出し無し)が下の写真です。今回はこの机の”脚”の作り方を紹介します。個人のDIY的なやり方ですので、プロのやり方とは違うところがあることをご了承ください。
脚単体だとこうなります。↓
以前自作した机が下の写真です。脚の部分が違います。
一般的な高さより10cmぐらい低くしています。脚は集成材を縦にし、天板の裏の左右に取り付けた2×4材に六角ボルトとナットで固定しています。今回この脚を作り直し、机の高さを70cmぐらい(正確には705mm)にしようと思います。天板は流用します。
材料費を安価に済ませるため、2×4材で作ります。
2×4材で机やテーブルの脚を作る場合、一般的な方法は下のような作り方だと思います。
簡単に作るにはいいかもしれませんが、見た目がちょっとカッコわるい気がします。長く使うものならば多少手間をかけてもスマートな感じにしたいと思い、釘やビスを使わずほぞ組みで作ろうと思います。
概要
ほぞ組みにもいろいろありますが、今回は下の図のような組み方(四方胴付きと呼ばれるやり方)です。
脚の設計図は下のような感じです。これを2組(右側と左側)作ります。天板の板厚が25mmなので、脚の高さが680mmになります。
天板は次のようになっています。
集成材の一枚板(1040mm×610mm←買ったままのサイズ)の裏に横方向に反り防止(気休めかもしれませが・・・)のための部材(30mm×25mm×750mm)をビス止めし、縦方向に脚固定用の2×4材(長さ500mm)をビス止めしたものです。
2×4材は天板の上の面からビス止めしているため、ビスの頭が丸見えですが気になる場合はダボ埋めすればいいと思います。
この2×4材と脚を組み立てたもの(脚組み立てと呼ぶことにします)を合わせて、片側につき4本の皿小ねじ(十字穴付き)で固定します。
皿小ねじはM8×60を使用し、ナットで止めるのではなく、脚組み立て側に鬼目ナット(EタイプM8×20)を埋め込み固定します。
補強のために2×4材(以前の机で使っていたものを使用)で、左右の脚組み立てを机の奥側でつなぎ(この部品をつなぎ貫と呼ぶことにします)、皿小ねじ(M5×50)で固定します。
つなぎ貫には、すでに鬼目ナット(EタイプM5×13)が埋め込んであります。
最後に塗装をし、組み立てて完成させます。
部材の切断
購入した2×4材は全部で3本です。木取りは下の図のようになります。
設計図では脚の長さが680mmですが、木取り図では700mmになっているのは、はじめから680mmで部材を切ると、完成後に脚底の水平が揃わなかったりする可能性があるため、脚の最終的な長さ、切断角度を最後(組立後)に行うため切りしろを20mm設けているためです。
また、幕板、貫の長さが424+50+50=524のところ525にしているのはノコギリの刃の厚さを考慮しているためです。
また、片側の木口を切り落としているのは、買った状態では切断面が粗いからです。こだわらなければそのままでもいいと思いますが、角度が出ているか(直角かどうか)は確認したほうがいいです。
あとで出てくるソーガイドを使って切断するので、墨付けは一面だけに行います。
節は硬く加工しにくくなるため、下の写真の様にならないような位置に墨付けし切断します。
下の写真のような型紙を利用すると、節の位置を確認するのに便利です。ただし墨付けはコンベックスなどで正確に寸法を測り行います。
墨付けの後も型紙を当て、間違いがないか確認します。
のこぎりの扱いが苦手な方でも、下のようなソーガイドを使うときれいに切れます。
ほぞ、ほぞ穴の墨付け
ほぞ、ほぞ穴の寸法は下の図のようにしました。ほぞの厚さは部材の幅の3分の1にするのが基本のようです。幕板の4つの穴は天板に皿小ねじで固定するときに鬼目ナットを埋め込み使用します。
穴の深さは鬼目ナットの長さと,皿小ねじの長さを考慮する必要があります。
鬼目ナットの長さは20mmですが、固定に使用する皿小ねじは長さ60mmのため、この長さから幕板の厚さ(38.5mm)を引いた長さ=21.5mm以上の深さが必要になります(これ以下だと皿小ねじの先端が穴の底に当たるため)。そのため穴の深さは23mmにしています。
わざとねじが穴の底に少し当たるようにして、そこからさらに締め付けると固定力が強くなるらしいのですが、この場合特に必要ないと思いますので当たらないようにしています。また、そこまで正確な穴あけ技術もありませんので・・・。
脚、幕板・貫とも4本まとめて墨付けします。そのためハタ金またはクランプを使用し固定します。
下の写真のようなバークランプというものを使用しました。
脚の長さの基準は、脚の上側なのでこの面に差し金を当て4本の部材を揃えます。
揃えた状態でバークランプで固定します。
4本まとめてほぞ穴の縦方向の寸法を墨付けします。
脚の各部材に、どこで使用するか自分でわかるように印または文字を記入しておきます。
脚と同様に幕板、貫にほぞの墨付けと、どこに使うのか(右上、右下など)を記入します。
ただし、幕板と貫は脚と違い寸法の基準が木口ではなく、部材の中心になります。中心線を決めてから、左右に寸法を振り分けます。
次に、ほぞ、ほぞ穴の横の寸法を墨付けします。この時毛引きを使うと便利です。
図面の通り毛引きの寸法を13mmにセットします。2×4材の厚さが約38.5mmなのでほぞの厚さが約12.5mm(左右13mm取り除いた残り)になります。
毛引きに目盛りが付いていますが、より正確な寸法を出すにはスコヤで確認します。高価なものなら精度があるのでスコヤで確認する必要はないと思います。
あとは毛引きで線を入れていきます。刃が浮かないようしっかりと押えて引きます(写真ではわかりにくいですが、刃で線を引いています)。